何か一つのことに興味を持ってしまうと、そのことばっかりに
情熱を燃やして、他のことがままならなくなってしまうという
すごく困った癖が自分にはあって…。
「アラブの春」の時は、暴動という暴動を全部把握したいという
欲望を自分で止められなくなって、
押し入れから古いパソコンを引っ張り出して、スマホと合わせて
3画面+ケーブルテレビの全4画面を部屋に並べ、
パンかじりながら張り込みの刑事みたいにモニターするなど、
かなり異常なモードに入っていたんだけど、
訪ねてきた友達に「なんか、口ひげ生えてへん?」と指摘されて
やっとブレーキがかかったのだった。
身だしなみも忘れて顔剃りをまったくしなかったからなのか、
はたまた、変なモードに入ると髭が生えはじめる性質なのか、
それはわからない。
最近はちょっと忙しいから、あまり何日もひとつのことだけに
没頭できなくなったし、バランスとれるようになったのかしらと
思っていた。
なのに! また昨日、読んでいたフランスの本が面白すぎて、
完全にドはまりしてしまい、夕方の約束をすっかり忘れてしまった。
一応、出掛ける時間には無意識のまま支度をして出たんだけど、
なんだかふわ~っと行先を間違えて、駅ではなく図書館へ行って
似たような本を借りて、そして自宅に帰ってきてしまったのだ。
待ち合わせの時間になって「えーっ! 私、家にいるー!!」と
すごく驚いた。
なんか危ないかもしれん。
もともとの癖に、年齢的な問題が重なっているのでは……。
今日は出掛ける時間に合わせてスマホで「18時、〇〇へ行く」と
アラームが出るようにしたから、大丈夫だと思うけど。
私の父はよくYシャツの胸ポケットに赤ペンを差していて、
たびたびそこからインクが漏れ出して、
まるで銃で撃たれたみたいなスプラッタ状態のまま、
ふわ~っと家に帰ってきたことがたびたびあり、
ゲラゲラ笑っていたんだけど。いまもう笑えないわ…。